入社の動機
私は大学院で数学を研究していましたので、そのまま研究者の道に進もうかと考えていましたが、そうするとしても社会に出て働くという選択肢も検討した上で決断したいと思い就職活動を始めました。数学の能力が生かせる仕事として最初に興味を持ったのがクオンツというものでした。それは我々のような金融機関において、複雑な金融商品の価格計算や損益・リスクの計算をするモデルを作る仕事で、私が金融の世界に興味を持つきっかけとなりました。その後いくつかの会社を受けて業界で働く方々と話していくうちに、マーケットを分析してポジションをとり、能力次第で大きく活躍することができるトレーダーという仕事に強い魅力を感じ、トレーダーになろうと決めました。モルガン・スタンレーを選んだ決め手は、若く優秀な社員が多かったことと、新卒を育てるカルチャーが根付いていると感じたことでした。
入社してからのモルガン・スタンレーの印象・魅力
この会社では、どんなに若手であっても常に考え、意見を言い、議論することが求められます。そして何もしなければ何も得られませんが、何かをすれば必ずそれに対して先輩社員のフィードバックが得られますし、成長につながるアドバイスを聞くことができます。入社前に感じた新卒を育てるカルチャーというものを、入社後もより強く感じています。自分の努力次第でどんどん成長スピードを上げることができ、より多くの仕事を任せてもらえるという非常に理想的な環境だと思います。また債券部にはセールス、トレーダー、商品開発、リサーチと多様な職種があり、幅広い経験や経歴を持つ人たちが互いに敬意を持って働いています。異なる能力を持つ人たちが能力を引き出し合ってより良いパフォーマンスを目指す組織です。
働くモチベーション
私は、トレーダーという仕事は毎日試合のあるスポーツ選手のようなものだと思っています。毎日マーケットという名の試合に出場し、その日の損益という形で結果が目に見えてはっきりと表れます。そういう点で、月単位や年単位での案件を扱うような仕事と比べると、このトレーダーという仕事は自分の性に合っているのではないかと思います。もちろん勝つときもあれば負けるときもありますが、それは決して運ではなく、しっかりと分析して戦略を練るという準備をし、マーケットが開いている間も常にその動きに対して対応していくという努力の上に勝利は訪れます。努力や能力が数字となって表れてそれが評価されるということが何よりのモチベーションとなっています。
モルガン・スタンレーでの一日
朝出社すると、まずはオーバーナイトの海外市場での動きを見てから、現在自分たちが持っているポジションの確認をします。毎朝ミーティングがあり、そこで各デスクが昨日のマーケットの動きや投資家の動向、今後の方向性などを話し、それを材料にその日のマーケットがどうなるかを様々な面から想定します。マーケットが開いている間は、自分のポジションのヘッジや、お客様のインディケーションにプライスを返すといったトレーディングが主な業務です。昼休みは特にやることがなければ比較的ゆっくりと休憩をとります。夕方にマーケットが閉まった後は、その日のマーケットの総括を自分なりに行い、またその日の損益やその時点で持っているリスクの計算をします。業務は大体19時頃に終わり、すぐに会社を出ることもあれば、データを分析したりトレードアイディアを考えたりするためにもう少し残っていることもあります。
プライベートタイム
休みの日は友人とフットサルをしたり食事に行ったりすることもあれば、家でのんびりしていることもあります。いずれにしても、頭をリフレッシュできるような過ごし方をしており、そうすることで新しいアイディアが生まれたり、平日に考えていたことの整理がついたりしています。
学生へのメッセージ
これを読んでいるみなさんは将来の進路について考えている最中だと思います。自分の人生にとって何が大切かをじっくり考え、向いている仕事や会社を選ぶということは非常に大変なことです。なげやりになったり、結論を急いだりすることなく、思う存分悩みぬいてください。そうして選んだ人生は、必ず素晴らしいものになると信じています。