株式調査部の株式シニアアナリストとして金融セクターを担当。2010年にモルガン・スタンレーに入社。慶応義塾大学文学部卒業、慶応義塾大学大学院経営管理学科修士終了。同大学院在学中にペンシルバニア大学ウォートン・ビジネス・スクールに留学。
モルガン・スタンレーでどのようにキャリア構築をしてきましたか。
私はMBA取得後、2006年にセルサイド(証券会社)の調査部に入社して以来、約10年間、ゲーム、インターネット、レジャーおよびその他のコンテンツ業種の担当をしてきました。モルガン・スタンレー入社後、アナリストとしての新たな挑戦をしたいという私の希望をモルガン・スタンレーが尊重してくれ, 2016年に金融セクターへの担当変更をしました。リサーチ業界ではシニアアナリストが担当業種を変更することは比較的稀ですが、モルガン・スタンレーでは社員のキャリアプランをサポートする体制が整っている事例だと言えます。
モルガン・スタンレー入社の動機を教えてください。
モルガン・スタンレーの強固なグローバルプラットフォームと、協調的で個人のキャリアプランをサポートする体制と企業文化が徹底している点が大きな特徴だと考えます。例えば当社の株式調査部では、ファンダメンタルズ分析をしっかり行うという体制がグローバルで確立されており、クロス・ボーダーで横断的にプロジェクトに取り組む機会が非常に多く、これは他社に比べてめずらしいことだと思います。また私のように担当業種の変更など、個人のキャリアパスを真剣に考えてくれる体制が整っている点も非常に稀です。
モルガン・スタンレーの企業文化について教えてください。
モルガン・スタンレーの企業文化は、非常に透明性が高く協調的です。
これまでの経験から、いいアイディアはどこから生まれると感じていますか。
株式調査部のグローバル金融チームは、NY、ロンドン、香港、ソウル、ジャカルタ、シドニーそして東京などに拠点を持つ非常に大きなチームで、定期的に世界の金融業界について電話会議を実施しています。チーム全員が積極的に問題提起を行い、ディスカッションに参加しますが、そこではアナリストとしての経験の長さは問われず、喧々諤々議論をすることで新しいアイディアや見識が生まれます。また、私が担当する金融セクターは、私たちの生活基盤であり社会のインフラでもあるので、金融業界に限らず様々な産業の動向や社会問題などを幅広く理解することが必要ですが、他業界の担当アナリストとの議論や意見交換においても、重要な論点や投資アイディアが生まれることが多々あります。
過去5年-10年間のIT技術の進歩や情報量増加によって仕事はどのように変化しましたか。
株式調査部だけに限られた話ではありませんが、私たちがいる金融業界は非常にグローバルであり、テクノロジーの進化もめまぐるしい業界です。よりグローバルな視点で分析すること、つまりクロス・ボーダーのリサーチの重要性が高まっています。また、私たちの顧客である機関投資家への投資アイディアのディストリビューション(提供のあり方)においても、発行したレポートをメールで送信するだけではなく、動画で提供するなど、テクノロジーの活用がカギとなっています。
「Giving Back(還元する)」の重要性について教えてください。
株式調査部の株式アナリストという職種は専門性の高さが求められますが、同時にグローバルマクロ環境、個別企業調査、消費トレンドなど幅広い知識を増やすことも必要になります。当社では、社員のキャリアプランを真剣に考えサポートする仕組みが確立されており、アナリストとして独り立ちするためにトレーニングを含めた支援があります。社員一人ひとりのラーニングカーブを上げることが顧客への貢献と部全体の競争力にも繋がっていると感じています。また、当社では個の尊重が重視されていますが、シニアリーダーがジュニアに対してノウハウを伝授するといったことも進められており、社内の「Giving Back」の意識は高いと考えます。