Profile

Yuki Hashimoto

マネージング  ディレクター 
Vice Chairman

※ 2021年5月 Vice Chairmanに就任。以下はVice Chairman就任以前に掲載されたものです。

日本の債券統括本部長。モルガン・スタンレーMUFG証券のマネジメント・コミッティのメンバーおよびモルガン・スタンレーの債券業務におけるグローバルオペレーティング・コミッティのメンバーを務めています。

1992年に金融業界でキャリアをスタートして以来、香港、シンガポール、日本、ロンドンでの勤務経験があり、2008年にモルガン・スタンレーに入社する前は、アジアの外国為替営業を指揮したクレディ・スイス、それ以前はJPモルガンに勤めていました。上智大学で政治学の学士号を取得。

現在の役割および職務について教えてください。

私は、グローバル金利、外国為替、新興市場、クレジットおよび証券化商品から成る日本の債券統括本部を取りまとめています。私たちは円建て金融商品の取引拠点であるとともに、日本のお客様向けにグローバル商品の販売も行っています。

職場での一日の流れはどのようになっていますか。

その日の市場動向によって左右されるため、典型的な1日の業務の流れを説明することは難しいのですが、私の1日は必ず、セールス&トレーディング部門との朝のマクロミーティングで始まります。1日中クライアントやチームメンバー、他部署の人たちとの会議で埋まっていることがほとんどですが、マーケットの動きが激しい時はスクリーンから離れることができないこともあります。また、クライアントとの電話が間断なく続くこともあります。海外のお客様が東京を訪問されることも多く、日本と海外の投資家の皆様を繋ぐことも私たちの重要な役割の1つです。1日の終わりはクライアントとの会食や、グローバルの同僚とのカンファレンス・コールで締めくくりますが、金曜日の夜は夫と過ごせるように、予定を入れないようにしています。

モルガン・スタンレーでのキャリアはどのように形成されたのでしょうか。

モルガン・スタンレーには、外国為替・エマージングマーケット営業の責任者として2008年に香港オフィスに入社しましたが、その直後に起きた世界的な金融危機がすべてを変えました。私のミッションはもはや事業拡大ではなく、一からビジネスを再構築することに変わったのです。もう一度同じことをしたいとは思いませんが、この経験により、モルガン・スタンレーいう会社と、ここで働く人たちのことを深く知ることができました。つらく厳しいプロセスを共にやり遂げてくれた当時のチームのことは今も忘れられません。

香港で5年過ごしたのち、私は日本で債券営業部門を指揮することを任され、その後2014年には債券統括本部全体の運営を任されることになりました。約15年間ぶりの日本での勤務は、それまでの自身のコンフォートゾーンから踏み出すきっかけとなりましたし、この役割を引き受けて初めて、海外での経験がどれほど貴重なものであったということに改めて気付きました。

モルガン・スタンレーが他社に比べて傑出しているのはどのような点でしょうか。

モルガン・スタンレーには有能な人材が沢山おり、社員もまたここで働くことを誇りに思っています。この誇りが誠実さにつながり、ジェームス・ゴーマン会長が常々述べているように、社員が皆正しい行いをして、より高い目標に挑戦しているという事実が、モルガン・スタンレーを他と一線を画す存在にしているのだと思います。

金融業界でのキャリア構築にあたって、転機はありましたか。

振り返ってみると、私自身も変化を恐れてはおらず、実際、新しい挑戦をすることを楽しんでもいました。キャリアの5年目を迎えた頃には次のステップに進む準備ができており、東京からロンドンへの異動を願い出ました。日本でそれまでに積み上げたものは手放さなければなりませんでしたが、ロンドンで過ごした数年は日本の銀行危機やロシア危機と時期が重なり、多くの経験と機会を得ることができました。自ら望んでこうした変化と挑戦をしていなければ、恐らく現在のポジションにいなかったのではないかと思います。

これまでに得たキャリアアドバイスのなかで、特に大切にしているものはありますか。

15年ほど前に最初の管理職のポジションを任された時、直属の上司から教わったことがあります。それは、職場の円滑な人間関係と同僚や部下から信頼を得るには、透明性と正直さが鍵であるということでした。これらを実行するのは考えている以上に難しいことですが、真実でもあります。誰かにとって芳しくないメッセージを伝えなければならないこともあり、時として本当に難しいことですが、そうした状況についてもできる限り透明性を保とうとすることが、長い目で見ると良い方向に進んでいくのだと思います。

職位の異なる社員と一緒に働くなかで、リーダーとしてどのような発見がありましたか。

これは文化の違いかもしれませんが、日本では若手の社員が上司に意見を言う場面が少ないように思います。チームの若手メンバーから最も優れたアイディアが出てくることも多々ありますので、私は彼らに率直な意見を述べ、チームや上司からも積極的にフィードバックを求めることを奨励しています。

社内のネットワークなどの活動にも参加していますか。

私はWomen's Business Allianceを始めとするいくつかのネットワーキンググループのメンバーであり、人事部が主催するネットワーキング・イベントにも参加しています。多様なものの見方に触れることは大切ですし、異なる部門や他の地域から意見をもらうことは、最終的には非常に調整のとれた戦略をもたらします。また、それは会社についてより深く理解することへもつながると考えています。

Get Your Career Started At Morgan Stanley