資本市場統括本部における債券資本市場部の責任者。1992年に金融業界でのキャリアをスタートし、ニューヨーク勤務などを経て2002年にモルガン・スタンレーに入社。 現在は、顧客の債券資本調達と債務管理の支援に携わっている。慶應義塾大学法学部卒業。
現在の役割および職務について教えてください。
債券引受、債務管理、デリバティブなどを扱う債券資本市場部を統括しています。私たちの部門では、テーラーメイドの解決策を顧客に提供しており、時にはバランスシートを効率的に管理したいというお客様の目的を支援するために、オフバランス金融とオフバランス化の業務を手がけることもあります。当社の商品は非常に多岐にわたり、商品の組み合わせは数え切れないほど存在するため、私たちは自らを差別化し、創造的な解決策を顧客に提供することができます。ここが私たちのビジネスの醍醐味です。
職場での一日の流れはどのようになっていますか。
毎日が新しい一日です。市場は絶えず変化するため、世界の市場で日々何が起こっているかを把握し、顧客のために役立つ情報やアイディアを得るという作業は刺激的です。ほとんどの場合、一日の大半はミーティングに費やし、お客様との面会や、自身のチームのほか、投資銀行、債券部をはじめとする他部署の同僚との会議などで過ごします。一日の締めくくりは顧客との会食、あるいはニューヨークおよびロンドンの同僚との電話会議で、翌日以降、次週または数か月先に行う提案についても話し合います。海外出張では、グローバルで洗練された機関投資家と顔を合わせる機会が多く、また、米国、ヨーロッパ、アジアの投資家向けに、我々のお客様の社債の新規発行のためのロードショーをサポートしています。
モルガン・スタンレーの企業文化について教えてください。
私はモルガン・スタンレーの企業指針のひとつである「Putting Clients First (顧客を第一に)」がとても好きです。そしてモルガン・スタンレーには「Putting Clients First」を実践するために社員が協力し合うという協調の文化があります。それは面識がない社員同士でも当てはまり、共通の目標のために力を合わせ、一流のやり方で一流のビジネスを行うことを目指します。私たちは同僚を「社内クライアント」と呼ぶことがありますが、その点も大変貴重な考え方だと思っています。この呼び方から、社内外にかかわらず「クライアント」を第一にすることの重要性が感じられます。社内クライアントは私たちにとって、モルガン・スタンレーが提供できる最高のサービスを社外クライアントに提供するための手助けをしてくれる存在です。社外クライアントへの最善のアプローチは、常に社内クライアントとの協調から出発するのだと考えています。
金融・株式・市場のどのような指標に着目していますか。
私がビジネスをしているのは債券商品の分野ですが、私たちが扱う市場と指数は、株式市場、市場金利、FX市場、クレジット市場、商品市場など多岐にわたります。このことから分かるのは、グローバルな資本市場は相反する様々な商品と常に強く結び付き、相関関係にあるということです。私は金融業界の動きに大いに注目しています。というのも、金融業界はマクロ市場環境を常に反映するものであり、金融業界とその他の事業部門とは密接に結び付いているため、資金調達活動の今後を知る上での手がかりとなるからです。
「Giving Back (還元する)」の重要性について教えてください。
「Giving Back」は当社の企業指針のひとつであり、モルガン・スタンレーでは地域社会と次世代の育成に関わることが奨励されています。私は長年にわたり、夏が始まる前にモルガン・スタンレーの社員が力を合わせて砂浜を掃除するボランティアイベントに参加しています。「Clothing Drive(衣類・タオル等の回収・寄付活動)」と「Book Drive(古本の回収・寄付活動)」も、人々のために「Giving Back」を行う第一歩としてモルガン・スタンレーの全社員が利用できるプラットフォームです。