入社の動機
博士課程在学中に就職活動を始めた頃は、理系のバックグラウンドを活かしたいと思い、金融派生商品の価格付け・リスク管理モデルを開発するクオンツを目指していました。金融市場についてより深く知りたいと考えモルガン・スタンレーなどのインターンシップに参加しましたが、業務内容の理解が深まるにつれて、金融工学に基づくモデル開発よりも金融取引自体を行うトレーダーの方が自分には向いていると思い、トレーディングデスクを志望するようになりました。モルガン・スタンレーに入社する決め手になったのは、社員との交流を通じて、自分の能力を最大限に発揮し自分らしく働ける環境だと感じたからです。また、私は世界経済が特に不安定だったコロナ禍に就職活動をしており、パンデミックでインフレの加速が予想される局面だったこともあり、将来的に日本にも「金利のある世界」が再来するかもしれないという期待が円金利トレーダーのキャリアを選択する後押しとなりました。
仕事にやりがいを感じる瞬間
トレーダーとして最もやりがいを感じる瞬間は、自分の予想通りにマーケットが動き、その結果として収益を上げることができた時です。一方で、たとえ自分が待ち望んだ相場展開になったとしても、その前に自分の判断で損失を確定した時や、早くに利益確定をしたために収益が抑えられてしまった時ほど悔しいことはありません。金利動向の予測精度を高めようとするのは当然ですが、自分の予想が実現するまでリスク管理や予想が誤っていた場合の対処法など、トレーディング技術を向上させることを意識して日々試行錯誤しながらマーケットに向き合い続けています。
モルガン・スタンレーに入社して一番印象に残っている仕事・案件・出来事
日経平均株価の下落幅が過去最大となった2024年8月5日が一番印象に残っています。日本銀行が利上げを決定した直後だったので、債券市場も大混乱に陥りました。当時私は新卒入社2年目でしたが、その様子を最前線で経験することができ、トレーダーとしては貴重な経験を得ることができました。自身のキャリアで初めての大混乱を乗り切ったことで、ポジションのリスク管理や相場への向き合い方など、トレーダーとして大きく成長できたと思います。あの日を成長の糧にできたのは、相場が乱高下する中でも根気強く見守りサポートしてくれた上司のおかげです。モルガン・スタンレーは、トレーダーとしてのキャリアを始めるには素晴らしい環境だと改めて実感した出来事でもありました。
プライベートタイムの過ごし方
新鮮な気持ちでマーケットに向き合うために、プライベートでも新しいことに挑戦するよう心がけています。日常生活の些細なことから、芸術鑑賞・旅行・読書・アウトドアレジャーなど、面白そうなことは試して新たな体験や学びを楽しんでいます。また、定期的に運動することは、一時的に仕事のことを忘れて気持ちをリフレッシュさせてくれます。
学生へのメッセージ
自分の可能性を自ら狭めることなく、広い視野を持ってキャリアを考えることを強くお勧めします。私自身、就職活動を始めた頃は、自分がトレーダーになるとは全く想像していませんでした。何事も決めつけすぎず、色々なことを経験することで自分の可能性を広げることができます。皆さんがより自分らしいキャリアを選択できるよう陰ながら応援しています。